Department of Pathology
病理診断科

業務内容

病理診断科では、顕微鏡を用いて組織や細胞の検査をしています。業務は、組織検査、細胞検査、病理解剖に分けられます。

1)組織検査

患者さんにとって最も大事な検査ですので、検査後は担当医に必ず結果をお尋ねください。診断を決定するために、内視鏡や針などで小さく病変を採取することを「生検(せいけん)」と言います。この小さな組織片からは、病気の性状、遺伝子異常、個別化医療のための薬剤処方の適否など、多くの有用な情報が得られます。「手術組織診断」では、手術で摘出された病変の性状(組織型)・広がり・切除断端の状態・リンパ節転移などを多面的に検討し、最終的な診断を行います。当院では、多数の割面を作ることで、きめ細やかな病理診断を目指しています。「術中迅速診断」では、手術中に採取された組織を20-30分で診断し、術式や切除範囲を決めるために役立てられます。当院では、年間約2500件の生検、約400件の手術組織診断、約60件の術中迅速診断を行っています。当院の検査室の特徴は、検体数の半数を占める消化器系の次に、血液内科、形成外科、泌尿器科が続くことです。

2)細胞検査

痰、尿、心嚢液、胸水、腹水などの検体に、病気や癌の細胞がないか検査を行います。細胞検査は検体採取時の苦痛が少なく、検査は容易ですが、その判定には熟練が必要です。当院では、資格を有する細胞検査士が年間約20,000例の細胞検査を行っています。隣設の健診センター業務を支えているため、子宮と尿の検体が日常業務の多くを占めています。

3)病理解剖

病理解剖とは、病気で亡くなられた患者さんの臓器や細胞を観察して、詳しく医学的検討を行うことです。死因や病態を検討する目的で行われます。医療関連死(診療行為に関連した予期しない死亡)の疑われる場合でも、剖検所見と他の検査所見に基づいた公正な判断がなされます。内臓や脳を摘出しますが、解剖終了後に傷は縫い合わされます。病変のない場合には、お顔や手足に傷はいれません。現在の医学は、動物やヒトの命の膨大な積み重ねの上に成りたっているとも言えますが、得られた貴重な知見は人材育成や医療の発展に役立てられます。ご遺族にとっては、患者さんがなぜ・どのように亡くなったのかを知ることは、大切な方を亡くされたことを受け入れるための手助けになるかもしれません。当院では、年間約2例の病理解剖を行っています。

スタッフ

病理医(1名)日本専門医機構病理専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医

担当医師

病理診断科部長
近藤 能行Kondo Yoshiyuki
卒業大学
大分医科大学(平成10年卒)
取得専門医・認定資格 他
  • 医学博士
  • 日本専門医機構病理専門医
  • 日本臨床細胞学会細胞診専門医
  • 死体解剖資格