Diagnostic Radiology
放射線診断科

診療科案内

CTやMRI、血管造影などの画像診断、CTガイド下検査、血管内治療(肝臓がんに対する動注療法、出血に対する血管塞栓術、脳動脈瘤のコイル塞栓術や頸動脈ステント術など)等を行っています。

診療内容・特色

画像診断

画像診断とはCR、CT、MRIなどの機器を用いて体の内部を撮影し、病気の発見や進行度の評価を行うことです。
当院では各科のほぼ全領域を3台のCT(320列・80列・16列MDCT)と2台のMRI(1.5テスラ)にて撮影しており、できるだけ短い待ち時間で、迅速にかつ適切な診断をすることを目標に日常診療に取り組んでいます。
また、地域医療連携室を介して地域病院からの検査依頼にも対応しており、依頼医のもとへ診断結果を郵送しております。
その他、画像診断の質の向上を目標に、3~4ヵ月毎に臨床病理検討会(CPC)を行っており、地域医療に貢献できるよう日々精進しております。

血管内治療(IVR)

IVRとは放射線診断手技を応用し、カテーテルなどの器具を用いて疾患の検査及び治療を行うことで、外科的手術に比べて患者さんの負担が少ないのが特徴です。
当院では、2012年3月に最新のIVR装置(フラットパネル搭載型バイプレーンシステムの血管撮影装置に16列IVR-CTを併設)を導入し、回転血管撮影やCTを応用した、より高度な手技が可能となりました。
対象となる疾患として、CTガイド下の各種生検・ドレナージ、肝細胞がんへの抗がん注入療法や重症膵炎の持続動注療法、外傷による出血への塞栓術、喀血に対する気管支動脈塞栓術、透析シャントトラブルへの経皮的血管形成術等があります。
また脳神経外科とも連携して、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻などの血管病変に対する塞栓術、頸動脈狭窄症に対するステント留置術、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術などの脳血管内治療を行っております。

担当医師

放射線科医長
大賀 正俊Ohga Masatoshi
卒業大学
大分医科大学(昭和63年卒)
取得専門医・認定資格 他
  • 日本放射線学会専門医
  • 日本医学放射線学会会員
  • 日本放射線科専門医会・医会会員
放射線科部長/脳卒中センター副センター長
相良 佳子Sagara Yoshiko
卒業大学
大分大学(平成9年卒)
取得専門医・認定資格 他
  • 放射線診断専門医
  • IVR専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医
  • 日本医学放射線学会会員
  • 日本インターベンショナルラジオロジーIVR学会会員
  • 日本脳神経血管内治療学会会員
  • 日本小児放射線学会会員

医療機器の紹介

320列マルチスライスCT(Computed Tomography)

X線による画像診断装置のひとつとして、320列マルチスライスCT (Computed Tomography) 装置を導入しています。

従来導入していた64列マルチスライスCT装置に対して、現在導入している320列マルチスライスCT装置は、撮影範囲が5倍となる160mmの幅を僅か0.35秒で撮影できます。そのため、心臓や全脳のように160mm以下の臓器を1回転で撮影でき、胸部レントゲン検査のように撮影時間が短くなりました。なお、心臓の検査においては不整脈や心拍の変動によって画像が乱れる可能性も大幅に改善されたため、心臓の血管の形態評価だけでなく血流や機能の評価も可能となりました。また、被ばく量や使用する造影剤の量も大幅に低減できるようになりました。

MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像診断装置)

磁気を使って、身体の断面や血管を画像として描出します。エックス線を使用するCT(コンピュータ断層診断装置)とは異なり、患者さんの放射線被曝がありません。脳・脳血管・頚部血管・肩関節・膝関節・肝臓・胆管・膵臓・骨盤・前立腺・頚椎・腰椎など様々な部位の撮像に用いられます。輪切りの断面だけではなく、任意の方向からの断層像を直接得ることができ、病気の箇所を立体的に評価できます。脳の血管を造影剤という薬を用いなくても鮮明に映し出すことができるため、脳ドックの検査にも利用されています。

当院ではCanon社製の1.5テスラMRI装置が2台導入されており、予約待ち期間の短縮、緊急検査の受け入れが改善されています。さらに装置の性能も大きく進歩しました。頭頚部以外の血管撮影では造影剤なしでの描出能が大幅に向上し、腎機能が低下している患者さんへの負担が軽減されました。 検査時間も短縮されたことにより、検査に対する圧迫感もずいぶん少なくなりました。

MRIが2台で稼働することにより診療、救急部門における画像診断はさらに充実し、これまで以上に地域医療に貢献していけることと思います。

IVR(Interventional Radiology)-CT装置

IVRは、日本語では「画像下治療」と訳され、カテ-テルなどの器具を用いて、画像診断装置で体の中をみながら、出来る限り身体に傷を残さずに病気を治療する方法です。血管内治療やカテ-テル治療などとも呼ばれます。外科手術に耐えられない高齢者の患者さんにも適応でき、進行がんを含めたがんの治療あるいは動脈瘤に対する塞栓術などにも有効です。IVR-CTシステムは、血管造影装置とCT装置が一体となっており、両方の装置を組み合わせて撮影することによって、正確・安全に検査や治療を行うことができます。